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シンプル・ライフ

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観劇日記

hidari 「天衣紛上野初花~河内山と直侍~」migi

12.1

観劇日記2003.11.22

 
 この日は松本幸四郎主演の河内山と直侍の一人二役の歌舞伎を見た。
 国立劇場は素晴らしい何故なら他の劇場であればこの位置は1等席に当たるのに2等席扱いなのだ。
 だから今回は、安価にも関わらず花道の隣の前から2列目という絶好の観劇ポイントでの芝居見物である。
 国の施設ゆえに余分な経費を払わずにすむのでどの席でも他の劇場に比べて値段がうんと安い。(大体他の劇場の三分の一位)
 最も見に行くことを急に決めた為正規の方法ではなく手に入れているので手数料分だけ割高ではあったのだが(笑)
 今回私の知ってる役者は主演の幸四郎と、先日襲名披露公演で見た魁春くらいで、通の人に言わせれば役者が揃ってないよねってところだが、そんなことは気にしない。(いや、正直私もそう思ったけど)
 なんにせよ、オペラグラス使わずに余裕で役者が間近に見れるのは貴重な体験である。

 腹の据わった悪党のお数寄屋坊主の河内山と、その弟分の色男でチンピラの直次郎という元侍の二人の悪党を松本幸四郎が一人で演じ分けるのだが、花見に直次郎が居たはずが、何故だか舞台に幸四郎の河内山が登場するといった早代わりなどもあって見ている観客を驚かせる趣向がある。
 話の筋はというと、河内山が出入りする質屋の娘が奉公先の大名に気に入られてしまい年季奉公が終わったのにも関わらず戻って来られない。
 そこで河内山は金200両で、娘を連れ戻す約束を質屋と取り交わし、詐欺まがいの方法で大名家からも山吹色の手土産をせしめ娘もまんまと助け出すというお話。
 最後に正体を知られピンチになるも、そこは胆の据わった悪党河内山、見事な話術と脅しで上手く切り抜けていき、最後の最後に「ばぁかぁ~めぇ」そんな捨て台詞まで残していくのである。
 それとは、打って変わって河内山の弟分の直次郎は元は侍であっても、今は下手を打って追われる身の上、色恋の世界で生き抜く花魁をも虜にするほどの色男だで、まさに「色男金と力は無かりけり」を地で行くのである。
 追われる身の上とは言え、風の噂に自分に会えない事で病んでしまった花魁の三千歳に、せめて自分の無事を知らせたいと雪の中会いに行き、周りの計らいでなんとか出会えた三千歳との逢瀬も束の間、仲間の密告により追っ手に見つかる直次郎それを振り切り三千歳に今生の別れを告げその場を後にするのである。
 さて、不思議なことにその後の話は無いそうで、歌舞伎とは物語のメインになる部分のみを演じて客を楽しませるといった出し物が案外多いのである。


 
12.11
 
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